受験参考書の愉楽






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2010年02月14日(Sun)
受験参考書の愉楽
田口賢司と早稲田大学受験参考書研究会「受験参考書の愉楽」(1986)を読んでみた。9千円したが…。田口賢司の巻末の檄文(?)によると、受験生活のゴールは一つであり、全ての欲望はそこに向かっている。しかし、欲望は一つの方向に向けられるからこそ、逸れてゆく。本書は、受験参考書から、そうした逸脱を読み取る試みである。逸脱した欲望は再回収され、欲望の流れをさらに強化する。つまり、やる気が出る。そうしているうちに、その欲望は、同じ平面でまったく別のものに生成変化するかもしれない。
しかし、欲望がリニアに流れているのは、モダンの遺産ともいえる。そのためには、少なくともゴールが魅力的に見えていなければならない。現在において、ゴールは輝かしいものとはいえず、欲望がリニアには流れなくなってきている。立志・苦学・出世(竹内洋)というのは、もはや過去のものである。
ポストモダンは、人からやる気を奪う。田口賢司は、檄文の趣旨につき、やる気をひたすら鼓舞するものであると述べる。予備校は、試験のコードを解析し、体系的にカリキュラムを組むことで、某RPGのごとき一本道を作り上げる。今やスタートからゴールまで道は舗装されている。しかし、一本道ゆえ、やる気を失わせるおそれがある。そこで、予備校は、何とかやる気を起こさせようとする。予備校が試験のコードを解析できたのは、モダンが終り、ミネルヴァの梟が飛び立つ時が来たからであろう。同じく、ポストモダンの思想(例えば、フーコー)も、近代のコードを解析したといえる。しかし、どう生きるかはまた別の問いといえ、それにも答えてはいるのだろうが…。


   


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