八つ墓村






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2010年08月25日(Wed)
八つ墓村
横溝正史「本陣殺人事件」の犯人はイエの因習、「獄門島」の犯人はムラの因習に囚われている。しかし、「八つ墓村」の犯人は、逆にムラの因習を利用する。《田舎の人は口先だけはうるさいけれど、その実、みんな意気地がないから何もできゃあしないのよ》。犯人は、「八つ墓村」の生まれだが、都会から帰ってきたこともあり、ムラを対象化できたのであろう。探偵である金田一や作者である横溝も、都会からムラに来ている。ムラ社会を対象化する著作は、戦前にはなく、敗戦後すぐに、横溝の諸作やきだみのる「気違い部落周游紀行」が書かれる。しかし、これらは引き継がれず、途絶えてしまう(注)。
総じて、探偵小説は、日本社会を純文学よりも対象化できており、横溝正史はムラ社会を、松本清張は会社社会を、それぞれ対象化したといえる。人間が書けていないなどと批判されるが、そもそも日本社会には人間などいない。
(注)《きだによる日本社会のとらえ方は、その後どういうものか承継されていない》(青木保「「日本文化論」の変容)。

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