風子思考集成 - 2010/08

fuukoについて




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2010年08月25日(Wed)▲ページの先頭へ
八つ墓村
横溝正史「本陣殺人事件」の犯人はイエの因習、「獄門島」の犯人はムラの因習に囚われている。しかし、「八つ墓村」の犯人は、逆にムラの因習を利用する。《田舎の人は口先だけはうるさいけれど、その実、みんな意気地がないから何もできゃあしないのよ》。犯人は、「八つ墓村」の生まれだが、都会から帰ってきたこともあり、ムラを対象化できたのであろう。探偵である金田一や作者である横溝も、都会からムラに来ている。ムラ社会を対象化する著作は、戦前にはなく、敗戦後すぐに、横溝の諸作やきだみのる「気違い部落周游紀行」が書かれる。しかし、これらは引き継がれず、途絶えてしまう(注)。
総じて、探偵小説は、日本社会を純文学よりも対象化できており、横溝正史はムラ社会を、松本清張は会社社会を、それぞれ対象化したといえる。人間が書けていないなどと批判されるが、そもそも日本社会には人間などいない。
(注)《きだによる日本社会のとらえ方は、その後どういうものか承継されていない》(青木保「「日本文化論」の変容)。


2010年08月18日(Wed)▲ページの先頭へ
ムラ社会
ネットがあると、現実で言っていることと、ネットで言っていることが乖離しうる。ここから2ちゃんねるが生まれるのであろうが、より懸念されるのは、これにより、他人が信じられなくなることであると、宮台真司は言っている(「日本の難点」)。対面しているときは親しくしているのに、ネットで悪口を書かれていたりすると、人がおよそ信じられなくなる。しかしながら、ネットがないころでも、対面しているときに言っていることと、その人がいない場所で言っていることは、往々にして異なっていた。むしろ、ムラ社会ではそれが常態であった。
例えば、mixiはムラ社会そのものといえる(注)。ネット以前のありようが、ネットのありようを規定している。
(注)mixiはムラ社会?
http://d.hatena.ne.jp/dice-x/20050824


2010年08月11日(Wed)▲ページの先頭へ
分からない
平野綾が8月4日のグータンヌーボに出て、年上との恋愛話を語ったことから、ネット上でいわゆる祭りが起こりました。しかし、平野の言ったことは予想の斜め上を行っていたとはいえ、ネットでの反応は既視感しか感じられないものでした。従って、特にコメントすることはないのかもしれませんが、あえて言うとすれば、平野サイドの思惑が分からないということでしょうか。
おそらく、声優の世界の外でも活動したいということなのでしょう。しかし、だとしても、なぜ恋愛話などしなければならないのか。声優の世界の外に出るのだから、アイドルから脱皮しなければならないと考え、恋愛話をしたのかもしれませんが、声優の世界の外にもアイドルはいるはずであり、異なる位相のアイドルということで売れば良かったのではないでしょうか。なぜ一足飛びに、アイドルの域を超えてしまわなければならないのか。そもそも、アイドル的でない声優の振る舞いというのは、ありうるのか。もっとも、声優がアイドルと混じったとき、アイドルとどう差異化するかは、分からない。この辺りがすっきりしないので、こういうことになったのかもしれない。


2010年08月04日(Wed)▲ページの先頭へ
メタ文体
沢城みゆきは、いわゆる85年カルテットの一人で、14歳でぷちこ役でデビューして以来、第一線です。ぷちこから、少年役(ぴたてんなど)まで、幅広い。声量は乏しいものの、恐ろしく器用です。ここまで器用だと、中の人に統一性がないようにも思えますが、メタ文体(注)めいたものはあるのであり、また、フェティッシズムを喚起するものは、どの声にもある。その都度、文体を使い分けるが、その使い分けの中枢は存在しているというような状態は、コミュニケーションにおけるキャラの使い分けなどにも通じているのでしょう。
しかし、沢城は、かんなぎあたりから、地声で演技するようになる。これは、地声でないと演技ができないことから、意図的にそうしているとどこかで言っていました。しかし、メタ文体的なところから離脱したというわけでもないと思われます。
沢城の声は、何とか病みたいなのは引き起こさないようですが、そういうものの代表である釘宮に近い。このようなフェティシズムの喚起は、名塚のような一つしか声がないという意味で沢城と正反対の人の声にも見られるのであり、あるいは、それだけが求められているということなのかもしれない。
(注)斎藤環による、阿部和重の文体についての言及より。


   


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