風子思考集成 - 2011/03/01

fuukoについて




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2011年03月01日(Tue)▲ページの先頭へ
乱歩
イエにおけるウチとソトの分割は、個人にも転写される。個人も、イエと同じく、ソトに向けては、体裁を整えるが、ウチでは、欲望が渦巻いている。私小説は、こうした欲望自然主義のありようを観察したものだが、乱歩は、欲望自然主義に基づく想像を書いた。それが私小説よりも読まれるのは、当然であろう。(乱歩の作品に広く触れます)
乱歩の作中人物は、ソトに向けては、見かけにより騙そうとする。乱歩は、探偵である明智小五郎とともに怪人二十面相を作り出したが、彼らは双子のようなものであり、どちらも変装する。変装とは、見かけにより騙すということである。仮面も好まれる。一人二役も乱歩の好みである。見かけの裏がどうなっているにも、当然のことながら興味を寄せており、作例としては屋根裏の散歩者がある。これは遊歩者とは違う。心理試験は、心理をいかに見かけにより隠すか、ということが試みられている。D坂の殺人事件は、まなざしがいかに恣意的かを語る。見かけを信じてはいけないということであろう。化人幻戯は、犯人が見かけを信じさせようとするものである。カーの皇帝のかぎ煙草入れとは違う。
ソトに向けては、見かけで騙そうとする反面、ウチでは、淫らな欲望が渦巻いており、それは実現される。押絵と旅する男は、自己の想像の中に入ってしまう男の話であり、逆に、パノラマ島綺譚は、自己の想像を外に作り出してしまう男の話である。しかし、作り出されたものも、見かけ倒しである(注)。
乱歩は、大正を象徴している。大正は、見かけに滑り落ちていった。探偵小説は、こうした地点から始まっている。
(注)http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0599.html


   


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